奥様は、近頃、ミステリー劇場をよくご覧で、そのせいか、よく当たる。
朝 私、 「車のキーが、キーがな~い!どこだどこだ。」
奥様探偵 「背広の左側の内ポケット!」
翌朝 私、 「机に、携帯、ケイタイがない!会社遅れ~る。泣きそう」
奥様探偵 「充電中じゃない!」
翌々朝 私あわてて、 「サイフが、財布がな~い!免許証入れちょっよ!」
奥様探偵 「また、車の中よ!でも、お金はないよ。」
私 「やっぱ、ダメ」
やっと車が2台通れる道でのこと。
反対車線で運転席側のドアを開けようとしているおばさんがいた。
速度は、ゆっくり。20mほどで私の車とすれ違う、そんな時だった。
おばさんは、鍵をかけたまま道の端に除けてくれた。
……と思った。
「このおばさん、車に乗ろうとせず、どいてくれるんだ。
おばさんにしては、遠慮深く、図々しくない女(ひと)だな~」
奥様探偵 「違うと推理します。多分、これから助手席側のドアを開け、何かを取るよ。」
確かに、おばさんは、助手席側のドアを開け、休むことなく、かがみ込みながら、
案の定、風呂敷包みを取り出した。
私の勘は、はずれた。
妻は誇らしげに、探偵の顔に変わった。
