ノラ吉さんの宵

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勤勉な猫労働者諸君。人生は楽しむものだ。

ネオンの輝く裏道に”又旅”という夢のようにうっとりする

香(かぐわ)しいカラオケスナックがあるということを、皆さんはご存じでしょうか。

ここが、ノラ吉さんの行きつけである。


ノラ吉さんは、宵のうちになると又旅に出勤する。

カウンター越しにマスターに一礼し、いつものと言って、冷や奴に鰹節を入れたつまみを待つ。

ノラ吉さんは、それをつつきながら、馴染み客の歌を聴くのが楽しみである。

(皆川おさむ)

君はかわいい ぼくの黒ネコ

赤いリボンが よくにあうよ

だけどときどき 牙を出して

ぼくの首を傷つける(吸血猫か~)
 

黒ネコのタンゴ タンゴ タンゴ………。

いつ聞いてもしびれる歌だぜぇ~。

今日もこの歌で飲みのぺースが早くなる。うまい酒だ。

 

小一時間もすると目がうつろになり、ノラ吉さんも歌い出す。

(ビリーバンバン)

いつか風が 散らした粉も

鼻をかすめ  フラフラするよ

マタタビに恋してる いままでよりも深く

まだ足りず恋こがれてる 心から (覚醒剤中毒かぁ~)


「ノラ吉さん、又旅はいいねぇ~。」

旦那さんが焼酎を片手にうれしそうにいった。
 

男の飲み方。それも労働者の愛する飲み方。


労働者諸君、ストレスがたまったらこんな日も言いもんだ。


次の朝、いつもながら頭のグわぁんグわぁんとしたことは疑いの無いことである。

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